店長日記

画像: エビ達の3・11

エビ達の3・11

2014年03月11日

その時の事は
語り継がれた伝説

私達は父や母から
彼らは祖父、祖母から聞いた話

春だというのに雪の舞う寒い午後だった
俺達はいつものようにツマツマしていたが

水槽が急に波立った
地面から突き動かされるように
ソイルが動き 何度も何度も大きな波が起きた
ソイルは掘り返すようにうねりを上げ
俺達はつかまるところをなくした

水は硝子のへりを大きく 超えて飛び
仲間達は水とともに、外に飛び出した

建物中がうねり、悲鳴が起きた
天井が落ち
20本連結の水槽が横に動いた

ハウスの床中泥水が溢れ
シャッターの隙間から流れ出した

何匹も、何百匹も、いや何千匹もの仲間が
水槽から飛ばされ、流れていった
声も出ない どうすることもできない

そして長い、長い揺れは収まったが
それから暗闇と 寒さが俺達を襲った
泥水の沈殿を待ち 寄り添うように集まったが
断水と停電は長く続いた

生まれ来るはずだった子供達は
孵化することなく
弱いものから 死んでいった
長く、苦しい日々だった

あれから3年たつと言う

あのまま終ってしまうのかと思われた暮らしも
今はもとの静けさに戻っている

ここの人間達は言う

応援され、励まされ、今日がある
ともに あの苦しい日々を乗り越えたお前達を
ずっと守って生きたい。

               紅蜂と呼ばれる 俺達談

画像のエビは震災後初めて5月に撮影したエビです
良くぞ生き残ってくれたという気持ちです


ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット