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店長日記
「好きだ」
2011年08月25日

ハウスを訪れた中国のお客さんに
「全部真っ白でお茶碗のような、綺麗なえびが欲しい」と
言われた

私は 日本ではそれをスノーと呼んで、白が生まれることは
恥だとされていること
うちでは、まれに生まれても
小さいうちにはじいてしまい、販売はしていないこと
表現同士で掛け合わせて行くと、究極は白だけになること等を
説明した

彼は、純粋に自分が綺麗と思うものを欲しかっただけ

羨ましいと 思った

以前は純白だけを追及して、白だけで飼育している人が沢山いた
本当に殻の厚い、真っ白な個体は
惚れ惚れするほど美しかった
彼の言う、まさに「お茶碗(磁器)」のような肌をしていた

しかし、「スノーは邪道」と言うブリーダーさんたちの方向性が
白を「恥」に変えていった

表現を捨て、赤を追求して飼育していけば
当然、白は生まれない
けれどそれは、決して白が出るえびとは別物と言うことではない
完全に遺伝子を消し去ったわけではなく、封印しているのだ

「あれが劣る!、こうでなければならない!」
これは 価格を決めるには良いだろうが・・・

彼に説明していて、私は悲しくなった
もっと「様々な価値観」を受け入れることは出来ないのかと

こう書くと
「紅蜂は白出があるから、そんな事をいうのだろう」なんて
思われるのだろうか

常時10万匹以上いるえびの中に
白を産む遺伝子を持った個体が何匹かいても
それは不思議では無い
それさえ、時流にさからえず消えようとしている

世の中、「モスラ、モスラ」と言われている時期に
赤足にこだわったブリーダーさんがいた
それは値段ではなく
自分の価値観にこだわったのだろう

その人達が、他を認めないって悲しくないか

今、世は赤足、赤中心だが
そうでない自分の価値観にこだわる人も きっといるはず

私はそういった人も応援したいなぁ

某は言う
「やっぱりモスラが綺麗だなんて言ってるのは
 店長ぐらいだからなぁ、3年前の人間だな」

「いいでしょ 個人的な私の好きは、変えないヨ!」
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